川西市が育む“朝採りの恵み”―いちじくの歴史と魅力

兵庫県川西市はいちじくの町として知られています。その歴史は昭和の初めまでさかのぼります。
北米生まれの「ドーフィン」という品種が日本に伝わり、川西市の萩原地区で栽培に成功したのがはじまりでした。
のちに「桝井ドーフィン」と呼ばれるこの品種は、いまや全国の市場に出回るいちじくの中心的存在となり、
川西はその発祥地のひとつとして大切に語り継がれています。

現在も市南部の久代や加茂を中心に約80戸の農家が栽培を続け、年間300トン近くを出荷しています。県内では神戸市に次ぐ規模を誇り、
大消費地である阪神間に近い地の利を生かして新鮮な果実を届けています。

川西いちじくの特徴は、何といっても「完熟のまま収穫」されること。
早朝に手作業で摘み取り、その日のうちに出荷するため、甘みや香りが損なわれることなく食卓に届きます。
こうしたこだわりから「朝採りの恵み」と呼ばれ、地元の人々に親しまれてきました。近年ではジャムやワインなど加工品にも展開され、
果物を超えて地域ブランドとしての存在感を高めています。

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